耳が聞こえない(第六話)

うつとの闘い

耳が聞こえない

過酷な労働環境と限界の精神で働く妻(こた美)がついに限界を迎えます。

9月下旬ごろ、もう精神的に限界が来ており、転職してほしいという話を真剣に妻にしていました。

しかし、結婚したので転勤願いが通りやすい点から

妻からは「来年からは転勤して良い方向に行くかもしれないから待って欲しい。」と言われ、

私はそれを了承しました。

その夜お互い頑張っていこうと話し、結婚式の時に買ったお酒を飲んで乾杯をしました。

そして,寝に行こうと思い、妻と一緒に寝室へ行った時にそれは起きました。

妻「なんか洗濯機回してる?ゴーって音がする。」

私が「何も音はしないよ?」と言った時、妻から衝撃の一言。

声が聞こえない

私は一瞬何を言っているのかわかりませんでした。

数分前まで一緒に夫婦生活頑張って行こうねと話していた所です。

何が起きたのか私も妻もパニックです。

とりあえず次の日に病院へ行こうとラインを使って話をしました。

しかし、さらに妻が一番パニックになった原因があります。それは、

明日学校に休む電話をしなければ

文化祭までもう少し、生徒会の仕事、さらに担任業務,

日々忙しくなっていっている学校の現場に対して、

「休みます」と連絡を入れることがどれほど他人に迷惑をかけることか。

妻「コロナで迷惑をかけたのに、どうしよう。電話するのが怖い」

今思えば私が学校へ連絡すればよかったと思うのですが、

まだどれくらい耳が聞こえていないか私自身も把握できず、頭が回っておりませんでした。

ついに体に限界を迎えた妻、耳が聞こえない事にも不安ですが、

当時の様子はそれよりも学校を休むことの恐怖心の方が大きい様子でした。

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